グリーンマップの特長。世界中で様々な目的で使われています。
グリーンマップは、自分たちの住んでいる都市の環境に良いものも悪いものを地域の住民と調査しながら、グリーンマップアイコンと呼ばれる世界共通のアイコン(絵文字)を使って地図に表す環境マップです。
グリーンマップの目指す社会を具体的にいうとしたら、
豊かな自然を楽しむことができ、クルマなしで移動しやすく、環境に配慮した店が多くあり、歴史的・文化的な資源を大切にし、固有の自然や地域性をうまく生かしたまちづくりがなされ、自立的にものを交流させることのできる物流やエネルギーのシステムを持ち、公害がなく、廃棄物をなるべく出さないシステムを持ち、環境に貢献する団体やグループの活動が盛んで、市民の提案を行政などに生かせる仕組みや学習・アドバイス施設があり、心身共に健康に暮らしていける近隣との関係があるような社会と言えるでしょう。
●グリーンマップの特長
1.世界の言葉 グリーンマップ・グローバルアイコン
グリーンマップの特長は子供達にも人気のかわいいアイコンです。言葉を越えて情報交換できる視覚言語--グローバルアイコンは現在125個。「自然食レストラン」「リサイクルショップ」「環境スクール」「貴重生物生息地」「太陽エネルギー」などの環境にいいアイコンもありますが、「ゴミ不法投棄」「水質汚染源」「大気汚染源」など環境に悪いアイコンもあり、マイナスの部分にも目を閉じていません。また「夕日がきれいな場所」「安らぎの場所」「星観察スポット」や「雪と遊ぶ」などの精神的な価値を表すアイコン、「重要建造物」「伝統的な生活区域」「コミュニティガーデン」や「アートスポット」などの文化・社会的な価値を表すものなどがあります。アイコンの選定やデザインは世界中のグリーンマップ制作者とインターネット上で協議しながら決めたものです。従って、アイコンの背後には、環境的に進んでいる国のアイデア、文化の多様性に裏打ちされたオールターナティブな知恵、世界の市民運動の潮流などが見え隠れしています。
2.気付きの手法
今まで環境問題に関心のなかった人でも、「私たちの町にはどんな自然があるんだろう」「環境にいいエネルギー施設はあるのかなあ」「環境や健康にいいものを売っているお店があるのかなあ」という具合に、自分たちのまちが環境的にどのような状態になっているかを発見し、確認し、考えることで、次第に調査する人が気付いていく、Consciousness Raising―「気づきの手法」をとっています。
3.国際的な視点
環境問題は、様々な問題が絡まり合っている大変複雑な問題で、しかも、地球規模の問題でもあるので、一国だけが頑張っても解決できません。世界に広がるグリーンマップのネットワークは、各々の地域の環境のすばらしさや環境政策等のすすみ具合、地域やコミュニティの問題についての国際的な情報交換を可能にしています。しかも、情報交換は政府でも行政機関でもなく、市民の直接のやりとりで生まれるものです。
4.様々な目的に使えます
グリーンマップは、地図というメディアで、エコツーリズムやエコ交通の推進に役立つだけでなく、様々な視点で持続可能な社会を目指す人々に利用されています。例えば、
●環境教育の分野では、
-小・中・高校・大学・成人学校やコミュニティ・自治会・行政単位での教育
●まちづくりの分野では、
-我が町のコミュニティマップ、
-景観保全・観光資源のアピールや新しい運営
-町再発見・テーマ探し
-里山再生
-その地域の重点テーマ
-町のデータベース作りや地域のネットワーク作り
-福祉マップやハザードマップ
-低未利用地再生
●テーマを設定した分野では、
-エコツーリズムの普及
-エコ交通・公共交通・自転車促進
-自然保護や自然教育
-環境イベントの際に
-住民運動・市民運動の波作り
-環境にやさしい産業・ CSR・伝統産業の促進
-キャンパスのエコ拠点作り
-エコなお買い物情報や商店街紹介
-環境時代のライフスタイルの提案
-エコデザインの紹介
-福祉、バリアーフリー
など、現状を地図に表しみんなに問題点などを知らせるだけでなく、提案型のマップで行政や関係部署に訴えかけるツールとしても利用されています。マップギャラリーでいくつかの例がご覧になれます。
国内外のグリーンマップの利用事例を紹介した冊子も販売しています。こちらをご覧下さい。
5.多様性に対するセンシティビティ
マップ制作者は、グローバルアイコンの他に自分たちで提案した独自のローカルアイコンを付け足すことができます。世界には多様な自然があり、人々が環境と向き合ってきた歴史は長く、その土地にはその土地の伝統的な知恵があります。昔はあったけれども、工業化社会になって忘れ去られたもの、失われようとしているもの、見直そうとしているものなど、各々の国の独特な環境資源や文化的な知恵は、様々な環境文化的発想を学ぶ機会にもなります。
6.地域の環境データベースと地域力作り
地域の環境の状態を共有し、その町の基本的な環境情報のデータベースとなります。また、様々な環境に関わるグループやお店、施設などを知ることで人のネットワークを作ることができます。そうやって人の輪が広がれば違ったテーマで協力し、新たなプロジェクトが生まれるかもしれません。
7.現実を変えていくツール
グリーンマップの目的はマップを作ることだけで達成されるものではありません。現状を変革するにはまず調査が必要であり、その内容を分析、検討し、提案という段階を経て現実を少しずつ変えていくことができます。住民運動や行政・自治体に働きかけ、社会の仕組みを市民が望む持続可能な方向へ変えていくうねりを作っていくこともできます。いわば現実と情報とが両輪となって、ステップアップしていける「成長するプログラム」なのです。
